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559話

翌日、私と萍児は藍月を見送りに行きました。家を出る前に母が温かいビニール袋を渡してきました。中には茹でたての卵が入っています。

「坊や、お姉ちゃんに持たせて道中で食べさせてあげなさい。外の食べ物は不潔だから、これはお母さんが茹でたての卵よ。それと漬物も入れておいたわ」と母は言いました。

私と萍児は卵を持って、藍月を駅まで見送り、ホームまで付き添いました。

私は母が茹でたまだ温かい卵を藍月に手渡しました。「これ、お母さんが茹でてくれたんだ。持っていって」

藍姉さんは卵を受け取ると、目に感動の光を宿し、卵を頬に当てながらつぶやきました。「お母さんにありがとうって伝えて」

藍月は列車に乗り...