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548話

「どうぞ、座ってください」冯世良は満面の笑みを浮かべながら私を招き入れ、タバコを差し出した。そして、ライターを取り出して火をつけようとした。恐縮した私は急いでライターを受け取り、まず冯世良のタバコに火をつけてから、自分のものに火をつけた。

「江くん、今年の君の仕事ぶりは素晴らしかった。私も、そして報社の皆も大変満足している」冯世良は一服吸い込み、ゆらゆらと立ち上る煙を吐き出しながら、笑顔で私を見つめた。「君と記者部の優れた働きのおかげで、報社も上層部から称賛を得たんだ。乔社長も先日私に会った時、報社の仕事が順調だと特に言っていたし、丁主任も褒めていたよ。ありがとう、君のおかげで私も面目が立っ...