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440話

「萍児はさらに続けた。『山を下りる時、藍月のあの同級生は私たちを元の道ではなく、ちょっと人里離れた小道に案内してくれたの。景色がとても素敵で、環境も静かで落ち着いていて、大きな竹林があったわ。私はその竹林で随分遊んだし、藍月の同級生もすごく興味津々に遊んでいたけど、藍月だけは竹林に興味がないみたいで、遠くに立ったまま中に入らなかったわ。南方の人だから竹林に慣れているからかしら』」

私の頭の中が急速に膨張し始めた。萍児はもちろん、藍月が竹林に近づかなかった本当の理由を知るはずもない。あそこは私と藍月が以前密会していた場所なのだから。

私には分かっていた。藍月がこの山に来たくなかった理由、竹林...