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35話

私は車と報道担当者を帰らせ、1週間後に迎えに来るよう伝えた。

村長の家の離れに身を寄せ、新たな取材を始めることにした。

山奥では電波が通じず、携帯でも藍月からのメッセージを受信できない。冬の夜の冷たい静寂の中で、藍月への思いを募らせるしかなかった。

その後の一週間、私は毎日、童先生と子供たちと共に過ごし、授業を聴き、童先生と語り合った。

山里の子供たち15人は6つの学年に分かれ、一つの教室で授業を受けていた。童先生は通常、1年生から順番に教え、最後に6年生を教えていく。

いわゆる学年とは一つのクラスであり、一クラスはわずか2、3人の生徒だった。

教科書は一揃いしかなく、牛皮紙で包まれ、みんな...