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318話

「紀さん、あなたも結婚式のお祝いに来たの?」私に会うと紀剣が笑いかけた。

「ははは、私はお祝いじゃなくて、ただ食事に来ただけよ。」私は笑いながら答えた。「新郎新婦が誰なのかも知らないのに、どうやってお祝いするんだい?」

「ははは、今日は私の上司の息子さんの結婚式でね。朝早くから来て式の準備を手伝っていたんだ。ちょうど宴会が終わったところさ。」紀剣は笑いながら言った。「じゃあ、行くよ。またね。」

「またね。」私は紀剣が後ろの駐車場へとふらふらと歩いていく姿を見送った。

私が戻ると、萍たちも食事を終えていた。私は会計を済ませ、老五は車を出し、みんなでホテルを後にした。

道の雪はまだ溶けて...