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304話

「いらないわ」と私はソファを指差した。「座って、テレビでも見てなさい。20分経ったら帰って、サービスしたって言えばいい。そうすれば報告もできるし、私の友人もお金を返してくれとは言わないよ。あなたの上司も何も言わないだろう」

この女をすぐに帰らせたら、店の人は私が満足していないと思って、また別の女を寄越すかもしれない、と考えたのだ。

女は少し意外そうな顔をして、続けて言った。「ありがとうございます。お客様は良い方ですね。こういう浮気めいたことをしないなんて、うふふ...奥様は幸せですね」

私は黙ったまま、テレビをつけ、隣のソファに座ってタバコを吸った。

20分後、女は帰っていった。

私...