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297話

「くすくす……」萍児が笑いだした。「不思議よね、楓兄さんっていつもお金遣い荒いのに、節約なんて知らなかったくせに、今じゃ生活上手になって、ボロパソコン一台離さないなんて。本当に節約したいの?それとも物に執着してるの?」

萍児は何気なく言ったが、私の心には波紋が広がった。藍月を見ると、まぶたがピクリと動く。彼女も今、穏やかな気持ちではないだろう。

「パソコンは更新が早いから、このパソコンもすぐ使えなくなるわ。今はもう文字入力機能しかないでしょ、タイプライターと同じよ」と藍月が言った。「買い替え時が来たら素直に買い替えなさい、そんなに頑固にならないで」

「そうよ、藍姉さんの言うとおり」萍児が...