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215話

「もしもし」すぐに電話がつながり、萍兒のうとうとした声が聞こえてきた。

「萍兒、俺だ!」と私は言った。

「もう、楓お兄ちゃん、心配したんだからね。昨日メール送っても返事なし、電話しても通じないし、一体どうしたの?」電話の向こうから萍兒の不満げな声が聞こえてきた。

「山の中にいて、携帯の電波が入らなくてさ。貧困対策の村で調査して資料をまとめていたんだ。昨日の夜に着いたばかりなんだ」

「だったら行く前に私に言ってくれれば良かったじゃない。連絡取れなくて死ぬほど心配したのよ。私がどれだけ心配したか分かる?」萍兒は引き続き文句を言った。

「俺はもう大人なんだよ、子供じゃないんだから、何を心配...