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211話

緊張から解放され、部屋に戻って萍児に電話をかけた。「萍児、やっと仕事が終わったよ。原稿も片付いた」

電話の向こうから萍児のぼんやりとした声が聞こえてきた。「あ、楓兄さん、ずっと電話待ってたの。知らないうちに寝ちゃってた。もう終わったの?」

「ああ、終わったよ。明日の早朝に江城に戻るけど、そっちはどう?」

「私は大丈夫よ。すべて順調で、明日から正式に授業が始まるわ」萍児の声に活気が戻ってきた。「登録が終わったら、楚兄さんが遊びに連れて行ってくれて、夜はピザまでおごってくれたんだよ」

私は笑った。「楚兄に迷惑をかけるなって言ったのに、どうして聞かないんだ?」

「迷惑かけたくなかったのよ。...