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208話

私は電話を手に取り、藍月のオフィスへかけた。すぐに通じると、私は言った。「藍月、メッセージ受け取ったよ。なぜ私にお礼なんて?何のお礼?」

「珊珊と再会できたことに感謝してるのよ!」電話越しの藍月の声は、とても優しく親しみやすく聞こえた。

「お礼なんて何もないよ。ただ足を運んで珊珊を連れてきただけじゃないか。ちょっとした手助けさ」私は軽く言いながら、藍月の幸せを思い浮かべ、心が温かくなった。

藍月は小さく「あぁ」と返し、突然電話の向こうで沈黙した。しばらくして柔らかな声で言った。「じゃあ、その手助けに感謝するわ……手助け、ね」

最後の「手助け」という言葉で、藍月の口調は少し強まった。

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