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178話

「もう事態は方明哲の制御範囲を超えてしまった。彼には手の施しようがないわ。前任を失脚させるつもりはなかったんだけど、仕方ないわね」と藍月が言った。

「面白くなくなったね」と私は言った。

「でも、これは方明哲にとって必ずしも悪いことじゃないかもしれないわ。もし江城の大物がこの火を方明哲が放ったと知ったら、意外な収穫があるかもしれない。そして江城の大物が誰が火をつけたか知りたいと思えば、それはとても簡単なことよ」と藍月は言った。

「へぇ、それは複雑だね」と私は言った。「もしその大物が私が功を立てたと知ったら、私にも何か見返りがあるのかな?」

藍月の表情が一変し、真剣な顔つきで私を見つめた。「ダメ、...