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172話

「分からない」と呂剛は首を振った。「僕が知らないだけじゃなく、親父も知らないんだ。哑巴のおじいさんはうまく説明できなくて、志遠兄さんも普段あまり話したがらない。ただ江浙から物乞いをしながらここまで来たことと、小さい頃に大人が志遠兄さんにお母さんのことを聞いても、ただ首を振って知らないと言うだけだったって。親戚を探しに来たらしいけど、誰を探していたのかも分からない。ただ彼らが江城に着いたとき、探していた親戚はもういなかったらしい。当時、近所の人たちは哑巴のおじいさんが志遠兄さんを連れて母親を探しに来たんじゃないかって噂してた。みんな哑巴のおじいさんは年老いてからの子宝で、大変だったって言ってたよ...