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168話

私は頭を上げて真昼の日差しを見つめた。艶やかで華麗な光。

日光と見つめ合ううちに、私はだんだん透明になっていく気がした。まるで一枚の羽のように。ただ、この日差しの翼に乗って、天地の間を共に翔けることができるかどうかは分からない。

突然、私の心が沈み込んだ。

時の外で、迷子になっていた感情が今、帰路についている。

点々と散らばっていた心が、小さな清流のように少しずつ大きくなり、ついには激しい大河となって天地を覆い尽くすように溢れ出し、全ての塵を洗い流した。そこに一つの憂いを帯びた顔がくっきりと浮かび上がる。

それは藍月の顔だった。

その顔には陽の光が降り注いでいるのに、私にははっきりと見えた。そ...