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970話

それから、固い梅干しのような頭をそっと歯で咥えた。力を入れないが、決して離さない。羅馨がどれだけ身体を揺すっても、王博の口から頭を引き離すことはできなかった。しかし揺れ続けるうちに、最初に耐えられなくなったのは羅馨の方だった。

頭を咬まれたまま動くと、少なからず頭に痛みを感じる。そして揺れる度に、彼女の豊かな胸が王博の顔に当たり、かすかな「ぱたぱた」という音を立てていた。その音は小さいものの、部屋には他の雑音がなかったため、はっきりと聞こえてしまう。その音に羅馨は恥ずかしさを覚え、心から照れくさくなった。

羅馨はふと思った。これは自分たちの関係性そのものなのかもしれない。どれだけ王博から逃...