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685話

ドアを開けると、背の高いOL姿の短髪美女が立っていた。きちんとした服装に整えられ、愛らしい顔立ちながらも、顔は油照りし、風塵に塗れた様子で、明らかに長旅を経てきたことが窺えた。

「久しぶりだね」王博が声をかけた。

「うん」余計な言葉を交わすこともなく、羅馨はそのまま部屋に入り、バッグを置くとソファに腰を下ろした。彼女のこういった性格に慣れている王博も気にせず、後に続いて部屋に入った。

「どうしてきたの?」

「私がなぜ来ちゃいけないの?」羅馨は首を傾げて問い返した。

「まあいいけど、何しに来たの?」

「元カレの結婚式に参加するためよ!」羅馨は王博を見つめながら、当然のように言った。

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