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363話

「秦欣は小李の酒臭い息を嗅ぎ、不思議そうに尋ねた。「耗子、あなたなの?郭さんたちと一緒に飲みに行ってないの?」小李は目を細めて秦欣を見つめた。「嫂さん、郭兄貴はまだ飲んでるんですよ。僕、嫂さんに急用があって席を外してきたんです。嫂さん、中に入れてもらって水一杯もらえませんか」

「私に急用?」秦欣は疑わしげな表情を浮かべたが、小李とはそれなりに親しい間柄だったし、何より郭松がいつも小李は自分の恩人だと言っていたこともあり、小李を家に招き入れた。ソファに座らせると、自分はお茶を入れに行った。

「小李くん、どんな用事?」秦欣はお茶をテーブルに置き、ソファに座るなり尋ねた。小李はお茶を受け取ったが...