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51話

部下は避けることなく、その丸い手玩が肩に直撃した。

それは翡翠でできており、かなりの重量があった。部下の身体に当たると、彼は「うっ」と声を漏らし、体が揺れて扉にぶつかった。

ボスは一瞬怯んだ様子で、全身の怒りが半ば消えたものの、眉間の皺は依然として解けなかった。

部下は打たれた肩を押さえ、声一つ上げなかった。

彼が着ていたのはバスローブだった。ボスの家に泊まる時によく着ていたあのバスローブ。

このバスローブは、ボスが用意してくれた客室のクローゼットから見つけたものだった。

クローゼットには彼の服が何着か残されていた。

彼が無邪気だった頃、このバスローブ一枚でボスの布団に潜り込んだこともあった。...