灰色の毒薬

20話

周同はすぐに精神を取り戻し、周囲を見回しながら、方中に裏切り者の名前を二度と口にするなと言いつつも、内心では聞きたがっていた。

方中は首を振った。「習慣なんでしょうね」

部下がいた頃、ボスが外で接待するときはいつも側に控えていた。

酔って帰ってきても、その部下が自ら世話をして着替えや入浴を手伝い、醒酒湯を一杯差し出すのだった。

その醒酒湯には何が入っているのか分からないが、普通の二日酔い防止のスープとは違っていた。

方中が酔ったボスをベッドに送り届けた時、ボスは目を閉じたまま「京佑、湯を張ってくれ」と言った。

周同はここまで聞いて、方中の肩を叩いた。「大変だったな、男の風呂まで手伝...