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91話

「よし、ウシ兄貴!そこの赤い消火器見えるだろ?消火器を奴らに投げつけてくれ!」丫が咄嗟の機転を利かせて大牛に言った。

「おう!」大牛は頷くと、壁際まで歩いて行き、消火器を手に取るなり投げつけた。

大牛の腕力は強く、投げられた消火器は信じられないほど速かった。傭兵たちは何かの缶が飛んできたとしか感じず、何が投げられたのかも見極める間もなく、銃を構えて発砲した。

「バン!!」

乾燥粉末式の消火器は内部が高圧で圧縮されており、一発の銃弾で「バン」と爆発した。

消火器が破裂し、乾燥粉末が圧力によって煙のような雲となって広がり、傭兵たちの視界を遮った。

これらの傭兵たちは戦場で鍛えられたベテ...