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30話

「おい、誰か来たぞ」という声に、その大男は小さな黒部屋から身を屈めて出てきた。

今度こそ姜帆はこの男の姿をはっきりと見た。

身長は二メートル近く、上半身は裸で、腰と背中は逞しく、歩き方は安定していた。全身の筋肉が盛り上がり、まるで龍や蛟のようだった。

高い鼻、大きな口、濃い眉に大きな目を持ち、顔には風霜の色が刻まれていたが、目の奥に宿る一筋の虚ろさが、その全体的な印象を大きく損なっていた。

それでも皆は思わず見入ってしまい、姜帆は心の中で「なんという男だ」と感嘆した。その大男は頭をかきながら姜帆に尋ねた。「何て言った?俺、自由になれるのか?家に帰れるのか?」

岳闺舞は顔色を変え、怒って言った。...