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185話

二人は車で向かった!

工事現場に着くと、姜帆と呂海龍は車を脇に停めた。

車から降りると、暗闇の中でうごめく人影が見えた。二人が車から離れた瞬間、十数人に取り囲まれてしまった。

少女は陰鬱な表情の痩せた背の高い男に引きずられて現れた。その背後には中年男性が立っていた。

手下の一人が中年男性に向かって叫んだ。「衡兄貴、こいつらが俺たちの品物を横取りしたんです」

工事現場の片側のドアは開いていた。門番の老人はきっと眠っていたのだろう、こんなに騒がしいのに出てこようともしない……

工事現場は狭く、逃げ場がない。衡と呼ばれた男は姜帆たちを見ると、鼻で笑い、姜帆を白痴でも見るような目で見た。こ...