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105話

しばらく待っても反応がなく、姜帆は薛青柔がもう寝てしまったのだろうと思い、邪魔をするのは気が引けて階下に戻ろうとした矢先、ギィッと音がして扉が開いた。

薛青柔が髪を乱し、真っ赤な目をして入口に立っていた。どうやら泣いていたようだ。

「入って」薛青柔は小さな声でそう言った。

「うん」姜帆は遠慮せずに中に入った。

「適当に座って……」薛青柔が言う。

「ああ」姜帆は俯いたまま、ソファに腰を下ろした。

薛青柔はベッドに座ったまま黙り込み、姜帆も何も言わない。

二人はそのまま目を合わせたまま十分ほど沈黙が続いた。ついに薛青柔が耐えきれなくなり、尋ねた。「何か用?」

姜帆はもごもごと言った...