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230話

宮殿に戻った鬼夜は、わずかな異変の気配を感じ取り、何かが違うと直感した。すぐさま宮殿の地下へと急いだ。中に入るなり、目の前の光景に鬼夜は驚愕した——皇易と邪莫が談笑している?

「鬼夜、やっとこの形でお前と会えたな!」皇易はかすかな足音に気づき、すぐに鬼夜の方を振り向くと、喜びに満ちた笑顔を浮かべた。

「俺は……これはいったいどういうことだ?」鬼夜は目を見開いたまま、ゆっくりと皇易と狄莫の方へ歩み寄った。狄莫は邪莫の記憶を頼りに、目の前の中性的な容姿の男性が誰なのかをすぐに理解した——狼族の殿下である鬼夜、そして鬼欣の兄だ!

「見ての通りさ、この皇易が出てきたんだ!」皇易はにやにやと笑いな...