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97話

慌てて隣からお椀を手に取り、スプーンで安大壮に水を飲ませる。彼女は本当に彼の体を心配していた。

案の定、安大壮は口を開き、乾いて割れていた唇が徐々に潤いを取り戻していく。少しずつ、少しずつ水が口から体内へと流れ込んでいく。一杯の水を飲ませ終えると。

蘭子は続けておかゆを食べさせた。

彼はすでに二日二晩絶食していたため、固形物を与えるのは危険で、全て流動食だけにしていた。

その間、蘭子は安大壮の顔立ちをじっくりと観察し始めた。安大壮は安龍といとこ同士だが、二人は少しも似ていないことに気づいた。安龍は端正な顔立ちで、聡明で学問好き。医者ではあるものの、体質は弱く、まるで弱々しい書生...