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955話

「わざと大きな声で言ってやるぞ」と安大壮は言った。

というのも、安魁が客間で聞いているのを知っていたからだ!きっと我慢できなくなっているだろうが、自分の嫁を抱く安大壮のところには入って来れないはずだ。

安魁は確かに外で聞き耳を立てていた。時々古い掛け時計を見ては、ドアの前に行って中から聞こえる激しい音を聞いている。羨ましくて嫉妬で胸が張り裂けそうだったが、どうしようもない。自分が墓地に赤紅を抱きに行くというバカなことをして、穢れたものに取り憑かれ、大壮に助けを求めることになったのは自分のせいなのだから。

二時間もあれば終わるだろうと思っていたが、まさか妻が耐えられなくなって中で許しを請う...