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930話

実際、安朗は二番目の姉・安雨が昔の「ロバの糞」と呼ばれた大壮兄と結婚したことを理解しがたく思っていた。彼と安大壮はまるで別世界の人間だった。安朗は二人の姉と同様、幼い頃から学業優秀で、一路順調に高校、名門大学と進み、大手国有企業に就職して技術の中核となり、前途は洋々としていた。

安大壮の昔話も耳にしていた。家族から聞いた話では、彼の目に安大壮は村の無頼漢でしかなく、姉の夫になるなど考えもしなかった。しかし父親の安民が電話で直接説明してくれた。かつての安大壮は今や県長や市長のお気に入りの人物となり、二番目の姉と結婚するのはお似合いだというのだ。

弟として反対する立場ではなかったし、ましてや二...