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812話

黄氏集団は地元政府の向かい側にあり、とても豪華なオフィスビルだった。不動産業界の企業と言えば、だいたいこんな構えのものだ。ビルの入り口に到着すると、車は停車し、運転手は車内で待機。龍兄と安大壮は車を降り、そのまま中へと歩を進めた。

入り口の警備員たちは名の知れた龍兄を知っていたので、二人を止める勇気もなく、とても丁寧に通してくれた。

フロントに着いたところで、背を向けた姿勢のまま受付嬢に指示を出している、スタイル抜群の女性が目に入った。彼女が振り返って龍兄と安大壮を見ると、その美しい顔に魅力的な笑みを浮かべた。

「あら、龍おじさん!こちらの方は?」

安大壮の視線も彼女の美しい顔立ちと瞳...