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729話

彼女を困らせたのは、続いてまたひとりのおばさんが入って来て、安大壮が彼女を抱きかかえ、二人が布団に潜り込んでいるのを見て、冗談めかして「お二人の邪魔をしちゃったかしら?」と言い、そのまま斜め向かいの上段ベッドに上がってしまったことだった。

実は、安大壮は列車が停車した時にはすでに目を覚ましていた。彼もかなり気まずく感じ、どうやってこの温かく柔らかな玉のような体から離れれば、みんなが気まずく思わないですむだろうかと考えていた。しかし、適切な方法を思いつく前に、あの女の子が入ってきてそんなことを言い、その後おばさんまでそう言ったものだから、もう説明のしようがないと感じていた。

最も辛いのはこの...