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578話

この突然の出来事に彼女は言葉を失い、何を言えばいいのか分からなくなった。

「義姉さん、会いに来たんだ。兮兮が用事があるって言うから、一緒に来たんだ」安大壮は蘭子の心が落ち込んでいることを察し、胸が痛んだので急いで説明した。

「あら!兮兮、私に何か用?言ってみて。遠慮しないで、まずは入って」蘭子は礼儀正しく微笑みながら尋ねた。心の中では「さっきまで一日近く一緒にいたのに、用事があるなら早く言えばいいのに」と思っていた。

安大壮と蘭子が予想もしなかったことに、趙兮は入るとすぐにドアを閉め、まるで自分の家のように振る舞い、安大壮と蘭子の手を引いて蘭子の寝室に入った。そしてベッドを指さして笑いな...