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405話

今度、安大壮は聞き取れた。中から聞こえる女性の声は安晴の母親である秋梅、つまり安民の妻だった。面白いことに、八年前にも安大彪と秋梅の関係を目撃したのだ。まさか今日また彼らと遭遇するとは。五、六十代の二人が十年以上も不倫を続けているなんて、本当に深い感情があるのだろう。

安大壮の目から見れば、今の秋梅は八年前と比べてかなり老けていた。安大彪と彼女の関係はもう終わっているだろうと思っていたのに、なんと彼らは十年も不倫関係を続けていたのだ。安大壮は安民が気の毒でならなかった。自分の妻が村長に十年も抱かれていて、彼は全く気づいていないのだろうか。

「大壮兄さん、中の人の声、どこかで聞いたことあるよ...