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372話

「静心、もう言うな。師匠はお前に前から言っている。お前は未だ凡心を断ち切れず、男女の事に執着し過ぎて、決して心を静めて修行することができない。そもそも『静心』という名を与えたのは、心を静めて修行せよという意味だったのに、お前はそれすらできなかった。もう師匠には言葉がない。この施主と一緒に行きなさい!山に戻って自分の荷物を取りなさい、もう戻ってくる必要はない」言い終わると、了塵師太は安大壮を一瞥し、踵を返した。

静心はその場で呆然とした。彼女はここを生涯の住処と思っていた。還俗して家に戻るなど考えられなかったし、そもそも彼女には家などなかった。だから跪いて了塵師太の足にすがり、涙ながらに哀願し...