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2766話

安大壮は谷から出る過程で、彼が谷に降りてから出るまでのこのエリア全体を順に把握していった。彼は子供の頃に従兄の安龍と入った場所が、幽情谷の中でも最も安全な区域に過ぎなかったことに気づいた。少し険しく神秘的な場所には全く足を踏み入れていなかったのだ。しかし、あちこちに現れる毒蛇や他の小動物を除けば、この一帯の幽情谷で猛獣の姿を見ることはなかった。言ってしまえば、かなり安全な場所だった。

もちろん、彼が通ったのは幽情谷の氷山の一角に過ぎない。結局のところ、幽情谷全体の面積は数十平方キロメートルもあり、まだ調査していない場所が多く残されていた。彼は一ヶ月かけて幽情谷を全て歩き回り、この谷に隠された...