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2623話

「いいから、分かってるよ。あの子はお前に何年も尽くしてきたのに、今になって俺に譲るなんて、よくもまあそんなことができるな」

「安さん、彼女はお前に奪われたんだろう。俺が彼女をお前に譲ったわけじゃない。お前が奪ったんだ。ちょうど俺がお前からシンプソンを奪ったようにな。お互い様さ。男同士、分かり合えるだろう。だから俺はお前を恨んでない。お前も俺を恨むなよ」

「ふふ、私は自分の敵を恨んだりしない。安大壮と敵対できる者は、尊敬に値する」

「いいだろう、安さん。お前はとんでもない色事師だが、確かに良い人間だ。情に厚い男だ。お前とは友情を結ぶ価値がある。もし俺、カルロスに何かあった時は、シンプソンの...