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2605話

安大壮は本当に呆れてしまった。カルロス大統領がこの話をしている時の様子といったら、緊張した表情で手足をもじもじさせていて、内心がどれほど興奮し葛藤しているかが丸見えだった。シンプソン夫人に夢中になりすぎているのは明らかだった。

そうでなければ、こんなにも惨めな姿になるはずがない。これのどこが一国の大統領なんだ!安大壮は急にこの男が哀れに思え、少し嫌気がさしてきた。安大壮自身も女性に対して特別な趣向を持つ人間だ。だが彼は自分の手段で好きな女性を獲得しようとするが、決して誰かの恩恵を乞うようなことはしない。

「大統領閣下、先ほどの私の言葉がまだ分かりませんか?私はシンプソン姉さんを裏切るような...