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2514話

そして、誰かが彼の個室の前を通り過ぎる足音が聞こえた。

安大壮はその人物が通り過ぎるのを待ってから、急いで部屋から出て様子を窺った。三十代くらいの男性で、肌は浅黒く、正面からは顔が見えなかった。安大壮は再び隣の個室へと向かった。あの男と密会していた女がどんな顔をしているのか見てみたかった。できればヤれるチャンスがあるかどうかも探りたかった。どうせここには一日以上滞在するかもしれないし、いずれ女を見つけなければならないのだから。

女はすでに身支度を整え、窓を開けようとしていた。隣に人がいるとは思っていなかったし、まさか安大壮が入ってくるとも予想していなかった。振り向いて見知らぬ男が入ってきた...