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2500話

「その言葉でカルロス大統領は思い出しました。目の前の中国人青年は、自分一人の力で政府軍さえ手を焼いていたアバネフとモルセフという二つの反政府武装組織の首領を見事に配下に収めた人物ではないか。あの二人はフィリピン軍人の目には殺せない、噛み砕けない存在だったのに、この中国人に完璧に従うようになったのだ。

さらに自分の女、ジェニファーが昨夜たった一晩で彼に心酔したことを考えると、この男には人を納得させる何かがある。彼の強い自信なのか、それとも人格的魅力なのか?とにかく、彼の目を見ていると、言葉がすべて真実に思えてくる。これがいわゆる人の持つオーラというものなのだろうか。

「聞かせてほしい。武器と...