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2402話

彼の言葉にエミール夫人は美しい瞳を見開いて驚いた。安大壮という男が密かに潜入してきたのが自分目当てだったとは思いもよらず、心に喜びが溢れた。外での評判がこれほど良いとは、自分を本当に理解する男性がいるということか。そう思うと、彼女の瞳は輝きを増した。アキノはいつも他人の妻に目を向けるが、自分にも惹かれる男性がいるのだ。彼女はこれまでの集まりで誰からも指名されず、それがずっと心の重荷だった。

今や彼女のためだけに来たというイケメンがここにいる。嬉しくて気分が高揚した。もちろん、この場所で安大壮に体を許すつもりはない。他の人も居るのだから。アキノの決めたルールでは、この城内の特定の部屋だけが、誰...