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2363話

しかし彼女は知っていた。この男は間違いなく黄翔の国の人間であり、フィリピン人ではない。こんな時にここに現れるなんて、彼は黄翔の敵なのか、それとも何者なのか？そう思った瞬間、ティナは急に気づいた。

これは先日テレビで報道されていた殺人犯ではないか？黄翔たち領事館が接触していた男、安大壮という名前だ。彼は山奥に逃げたはずなのに、どうしていきなりここに現れたのだろう？

ティナは自分を抱いたこの男が殺人犯の安大壮だと知り、さらに声を出す勇気がなくなった。彼女は突然、黄翔に電話をして安大壮がここに来たことを伝えようと思ったが、考え直した。この男は屋根を飛び回り、警察も軍も捕まえられない相手だ。黄翔に...