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2261話

「将軍閣下、実を申しますと、私たちは何も見ていませんでした。あの時、私と妹のアルニは営地から五六百メートル離れた草むらで用を足していたのです。済ませて営地に戻ろうとしたとき、突然意識がなくなってしまいました。気がついた時には、兄の部下たちに助け起こされていたんです」アルヤは言った。

「ほう?突然意識を失った?そして目覚めた時には救助されていたと。体に怪我はなかったのか?救助された場所は、気を失った場所と同じだったのか?」ジオド将軍はこの話を聞いた瞬間、これがアン・ダーチュワンの仕業だと察した。彼の特殊な中国武術の技だ。彼以外に、この神秘的な武術を知るものはフィリピンには一人もいないだろう。

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