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2075話

彼はメルセフのボディーガードたちに遺体を持ち帰らせたことを少し後悔していた。基地に到着してから彼らにメルセフの遺体を持ち帰らせるべきだった。彼がいれば、誰も逆らうことなどできなかったのだから。

安大壮はメルセフの下でたった一ヶ月余り過ごしただけだったが、すでにそこの兵士たちから尊敬され、女たちから崇拝されていた。もし彼がメルセフは死んだ、これからはこの基地は俺が仕切ると言えば、皆で豪快に肉を食らい酒を飲もうと約束すれば、みんな彼に従ったはずだ。

安大壮がアバニェフの所でやってのけたことは、この基地の兵士たちの耳にも入っていた。こういった噂は、いくら情報統制しても無駄なものだ。ただメルセフは...