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1910話

安大壮は彼らの一挙手一投足に注意を払い、この一団が特に木のある場所を選んで歩いていることに気づいた。そしてそういった場所は大抵浅く、沼地のように見えても実際には泥らしい泥もない。さらに、通り過ぎる木々には全て跡があり、何かの文字が刻まれていた。何が書かれているのかは分からなかったが、これが道標であることは間違いなかった。

沼地の中央に差し掛かると、一面の葦原を通らねばならなかった。その生い茂った葦の中に一隊の兵士が潜んでいたのだ。安大壮は思った。もし自分が無謀にも沼地に足を踏み入れていたら、渡り切ることなどできなかっただろう。沼に深く沈み込んで悲惨な死を迎えるだけでなく、モルセフがこんな場所...