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1762話

安大壮は彼女を焦らせて、一矢報いようと思っただけで、ここで本当に彼女を抱くつもりはなかった。だから彼女が本当に自分の方へ歩いてくるのを見て、呆然としてしまった！急いで部屋の中を見回したが、実は、入った時点ですでに一度見回していた。ここは密閉された部屋で、ドア一つだけで窓もなく、逃げるための道具も何一つないことを彼は知っていた。

椅子やテーブルさえも角のない円形で、溶接された鋼製品だった。中の人間が言い争いになって殴り合いになっても、素手で戦うしかなく、中にある物を攻撃や防御の道具として利用することは不可能だった。

ドアは閉められた。ただ閉じられただけなのか、鍵がかけられたのかは分からない。...