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1697話

「姉さん、私の背中に乗る時は懐中電灯を濡らさないでね。袋の中の懐中電灯も含めて。懐中電灯があれば随分と助かるから。向こう岸まで泳ぐのに一分くらいかかるけど、一分間持つよね?」安大壮はそう言いながら袋を彼女に手渡した。蒋英は「大丈夫よ、どんなことがあっても一分くらいなら持ち上げていられるわ」と答えた。

そして安大壮は蒋英を背負って川へと入っていった。中央に近づくと、水が首元まで来たところで泳ぎ始めた。

この区間はとても安全で、蒋英も上手く協力してくれた。二人は順調に川を泳ぎ渡り、岸に這い上がった。全身びしょ濡れになった彼らは、木の下で立ち止まった。安大壮はまず周囲の環境を確認し、異常がないこ...