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1041話

エレベーターを降りて603号室のチャイムを押すと、中からすぐにスリッパの音が聞こえ、ドアが開いた。

安大壮が顔を上げて見ると、かなり驚いた。彼の想像では、六十歳近い女性といえば白髪頭の、完全なおばあさんのはずだった。しかし目の前の女性は銀髪どころか、艶やかな黒髪を頭の上にまとめ、眼鏡をかけ、その顔立ちは極めて美しかった。顔だけで言えば、昨夜関係を持った張媛よりも美しいほどだ。

若い頃は、間違いなく絶世の美女だったに違いない!しかも、彼女には老けた様子がまったくなく、気品高く、スタイルも良く、劉嘉玲のような雰囲気で、安大壮の想像を完全に覆した。見た目は多くても45歳くらいで、張媛と大差なく、...