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750話

「玄気を放て、なぜだ?」

その言葉を聞いて、李大宝は思わず一瞬戸惑い、すぐには反応できなかった。対面の薛若尘を一瞥した後、ようやく自分の玄気を爆発させた。

「これは……」

突然、向かいの薛若尘の眼差しが鋭くなった。やはりそうか!先ほど李大宝が自分の前に駆けつけた時、何となく李大宝の玄気の波動に少し違和感を覚えていた。今見れば間違いない。李大宝のその溢れんばかりの玄気の中に、かすかに黒い波動が混じっている。天玄境以下の者には感じ取れないものだ。天玄境に達した者だけが見分けられる。少し考え込んだ後、彼は尋ねた。「吴さんは数日前に誰かと戦ったのではないか?しかもその相手は毒を使う者だったのでは...