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7話

村の診療所は南溪村のはずれにあり、李大宝はきれいな服に着替えて村へと歩き出した。

村の小さな売店のあたりまで来たとき、李大宝は夏梅の様子が気になり、ちょっと声をかけようと近づいた。すると、多くの村人がそこで涼みながら世間話をしているのが目に入った。

田舎では娯楽が少なく、普段は麻雀をするか、みんなで集まってお喋りをして、ご近所の噂話などをするくらいだ。夏梅の売店の前にある大きな槐の木は、そんな村人たちの絶好の集いの場となっていた。

「おや、大宝じゃないか。おいで、おばさんに見せてごらん、お前さんがどれだけ大きくなったか」

近づくなり、四十歳ほどの女性が笑いながら李大宝をからかう声が聞こ...