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594話

李大宝は地面にへたり込んだ。女が身をかがめた瞬間、元々少し大きめのスカートの襟元が一気に下がった。李大宝のこの角度からは、ちょうど中の魅惑的な光景が見えてしまう……

普段なら、李大宝はじっくりと鑑賞したことだろう。だが今、彼の心はすべて懐の飛刀に向けられていた。

これこそ彼唯一の命綱だ。もしこの飛刀まで女に奪われてしまったら、自分は本当に死ぬしかなくなる!

目の前のこの女は自分より遥かに強い。彼女はただ一瞥をくれるだけ、一振りするだけで、自分を動けなくさせる。自分の命を奪うなど、彼女にとっては些細なことに過ぎないのだ。

女の細い指が飛刀に触れようとした瞬間、李大宝は咄嗟の機転を利かせた。...