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579話

李大宝は突然頭を叩いた。そうだ!

傍らにいた雲韻は彼のその動作を見て、思わず奇妙な表情を浮かべ、不思議そうに尋ねた。「どうしたの?」

李大宝はしかし、一瞬言葉に詰まり、黙り込んでしまった。顔を背け、下方に広がる断崖絶壁を見つめながら、複雑な心境に浸った……今、彼はようやく思い出したのだ。先ほどの洞窟の中で、あの石のベッドから見つけた絵を、自分は以前に見たことがあるのだと。

ただし、見たのはその絵ではなく、絵に描かれた人物でもなく、その人物が着ていた服の模様だった。あの流れる雲のように優雅で不思議な模様を、彼は以前見たことがある。それも別の場所ではなく、自分の南渓村の診療所の中で。

おじ...