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576話

李大宝はこの温云泉が決して善意を持っていないことを予想していたが、まさかここまで唐突に手を出してくるとは思わなかった。一切の躊躇いもなく、容赦なく!

轟然たる玄気が彼の体内から漏れ出し、まるで天地を覆い尽くすかのように李大宝へと押し寄せてきた!

この強大な玄気の中心にいる李大宝は、まるで大海原に浮かぶ一枚の小さな舟のようで、いつ転覆してもおかしくない状況だった!

その威圧感は、あの夜の楊老にも引けを取らないほどの強さで、さらに楊老よりも数段凶暴な殺気を帯びていた!

温云泉はすぐには飛びかかってこなかった。ただ石碑の傍に立ち、ゆっくりと指を上げ、李大宝に向かって一指を差し向けた!

その...