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547話

秋が深まり、山道には散り落ちた葉が点々と広がっていた。辺りは真っ暗で、何も見えず、殺気立った雰囲気が漂っていた。

「カサッ」落ち葉を踏む鋭い音が響き、李大宝はゆっくりと前方へ歩みを進めた。表情は険しく、周囲を見回すが、木々が立ち並ぶばかりで人影など見えるはずもなく、あの老人がどこに隠れているのか皆目見当がつかなかった。

眉をひそめる李大宝。ついさっきまではあの老人の姿が見えていたのに、ここまで追いかけてきたとたん、一瞬で姿を消してしまったのだ。

どうやらこいつは自分に手を出すつもりらしい。李大宝は内心警戒を強めた。そのとき、彼の表情が急変し、足元に玄気を巡らせ、幻影身の技を発動した。

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